イラストレーター宮原葉月のブログです。日々の暮らしを書き綴ります。
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村を守るカミサマ「人形道祖神」本、作ります

突然ですが、今年7月完成を目指して本をつくることになりました。
本(小冊子/ZINのようなもの)を作るのは初めて。どきどきしています。プロットタイプながら読み応えありのかっこいいアートブックをつくりたいです。そして来年以降、秋田県内の取材・調査を終えた後に、今度は書籍としてまとめてみたいと考えています。

本は郷土史研究家の小松和彦(小松クラフトスペース・秋田市)さんと共著!下記写真は小松さんが書かれた私の愛読書。

小松さんは秋田の郷土史研究家として著名な方で、とりわけ「秋田の遊郭」や「秋田の縄文土器」等に造詣を深くお持ちです。また、秋田で最大手の新聞社・秋田魁新報(あきたさきがけしんぽう)の電子版では「小松和彦コラム新あきたよもやま」を連載されています。(この連載は最新話だけ無料でご覧いただけます)ちなみに秋田魁新報は、秋田県内で朝日や読売を抑え、新聞マーケットの50%以上を占めています。

本の内容は、秋田県だけになぜか80〜90個も存在する「人形道祖神」に焦点を当てます。「道祖神」というと長野などに存在する石でできた像をイメージされるかもしれませんが、秋田はもっと原始的で木や縄で人間型の人形を作ります。地域によって様々な種類があったり、「ええ!?」とびっくりするほどユニークな風習がいまだに残っています。村の境界に置かれ、悪いものが村の中に入らないよう魔よけ的な存在に近いです。残念なことに、村の老齢化で道祖神はこれからますます数が減るだろうと言われています。「だったらまだ残っている内に、そしてお話を聞ける方がご健在の内に取材しなくては」という思いを小松さんと共有することができました。

個人的な話になりますが、秋田に来てまもない頃、「秋田でアートマネジメントができる人材を育成しよう」という目的で文化庁大学を活用した文化芸術推進事業が秋田公立美術大学によって開催されており、その中のひとつ、「五城目」という場所で開催されたプログラムに参加しました。そのときの体験があまりにも強烈で、私の中の価値観がガラリと変わりました。(この時の体験はこちらから。

「秋田には、昔からの文化や暮らしが辛うじて残っている」

「以前は海外にも興味があったが、秋田はそれ以上に興味深い」

「アートは自由!料理も、編み物も、何でもアリ」
(→自分にアート・コンプレックスがあったと気づく)

「アートという手段を通じて、その土地の魅力を再発見することができる」

「表現活動には、人との関係性があってこそ面白い」

「予定調和な表現ではなく、予期せぬ連鎖が生まれるようなことが面白い」

など、貴重な体験や出会いを通じて体感することができたのです。

同プログラム終了以降も、表現者として何かやりたいけれど、力の全てを捧ぐことができる対象を見つけられずにいました。そんなとき、独自に人形道祖神の調査を進めていた小松さんと再会し、ふと「人形道祖神」という言葉が頭の上から降りてきました。「これだ!」という瞬間でした。

秋田にはユニークなものがたくさん存在していますが、村の老齢化よってその文化はまもなく消えてしまいそうです。それら貴重な存在を記録し広く伝える方法はないか、またどうせなら予期せぬ連鎖が生まれるような大胆な表現手法を取ってみてもいいのではないか、など五城目で学んだこととピタリ合致していく感覚がありました。

 

先日小松さんから「面白いエピソードを見つけたよ〜」とお話を伺いました。そのタイトルをみるや吹き出してしまいました。秋田のディープがここにあった!と思いました。そんな小松さんのユニークな切り口と共に、私が道祖神を個人的に好きなプリミティヴ・アートの世界観や今持てる感性と、各道祖神のストーリーとを交えて自由に描き上げます。

秋田もやっと雪解けが始まり遠出ができるようになったので、秋田県内を小松さんと巡り取材してきます。随時この様子も更新していきます。お楽しみに。

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