イラストレーター宮原葉月のブログです。日々の暮らしを書き綴ります。
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五城目、再び。きのこ祭り

再び五城目のことを書きます。10月にAkibi Plus五城目プロジェクトが4回もあるのです。今回のテーマは「大人のなべっこ遠足」。「なべっこ遠足」は秋田独特の学校行事で、小学校の全学年が屋外で料理(鍋)をつくる課外授業です。それを大人がやってしまおう、というのが今回のプログラム。この日はちょうど五城目朝市で最も人が訪れるという「きのこ祭り」が開催されていました。

前回と同じく、路線バスで朝早くに五城目に向かいます。この日バスは予定より2分早く出発したので乗り遅れてしまうところでした。集合時間の1時間近く前に到着でしたので、偵察がてらきのこ祭りに行ってみることにしました。下記は朝市の通りから1本裏に入った五城目の風景。

みたことがないきのこが沢山並びます。「黒きのこ」「金きのこ」など聞いたことがないキノコがいろいろあります。9時前に集合場所であるギャラリー「ものかたり」に行き、みなさんと合流しました。総勢30名ほどでしょうか、3つの班に分けられ、各班毎に何鍋にするのか、担当はどうしようかなど話し合います。私は「きのこの話をしたときに目がキラキラしていたので、きのこ係でお願いします」と班長から拝命を受けきのこ担当になりました。

みんなで朝市に買い出しに出かけます。9時半過ぎ、さきほどみたきのこがもうありません。どんどん売られていきます。大きななめこが1皿1000円、意外と高いです。松茸が1本3000円。とりあえずなめこと、1皿500円の名前を忘れたきのこ(いいお出汁になるそう)、1皿400円くらいの「金茸(きんたけ)」、緑色の苔がくっついたようなハツタケをおまけにいただきました。ちなみに金茸は能代在住の学生さんによると「高級なキノコです。おばあちゃんがよく採ってきて食べています」とのことでした。ハツタケは「大丈夫かしら?」と思うくらい見た目があやしいのですが、実際に食べてみて、きのこ特有の弾力がなく(あまりおいしくなかった)ですが、いい出汁になるそうです。

なめこ。買ったのは笠が閉じているタイプ。本当は開いている方がお鍋に合うそう。

金茸とハツタケ。

みんなでわいわい公園で鍋をやります。今まで話したことがない人たちも、鍋を一緒につつくと一気に親近感が湧いてきます。

「挑戦的な鍋にしよう」と、県外者にとって珍しい菊の花を入れてみます。花弁をガクから取る作業。ガクは苦いそうです。

秋美のY先生が、朝市のおばさんからいただいた紅芯大根。秋美の先生やスタッフの方々は料理上手です。

鍋っこ遠足には必須の段ボールで、コンロを風からうまく守ります。山形出身の女性も参加されて、山形といえば「芋煮会」が有名ですが、里芋(大阪や東京でいう里芋と同じものみたいですが見た目が異なります)も入れました。岡山から移住された方も居て、それぞれの食文化や秋田で驚いたことなどお話を聞くことができとても勉強になりました。

さきほどの写真。きりたんぽを入れていますが、五城目は実は「だまこ」という、きりたんぽをお団子状にしたものをいれます。(きりたんぽの本場は、青森に近い大舘を中心とした県北の地域です)出汁は比内地鶏のパックのスープと水、野菜は里芋とセリと大根、そしてきのこ全部。お肉は事前に用意してもらった比内地鶏です。里芋のとろみと、きのこの出汁と、みんなで外で食べるお鍋は最高でしたよ。

もうひとつの鍋でキムチ鍋も作りました。そこにはキムチと大根菜と菊の花を入れました。真っ赤なキムチスープに薄い紫の菊の花を入れた瞬間はとても美しかったです。しかし、残念ながら誰ひとりその瞬間を撮影しませんでした。きのこ鍋を食べ始めていてそれどころではなかったのだと思われます。

鍋を食べ終えると、トークイベントが同じ場所で始まりました。しかし寒くなってきたので場所を屋内の「ものかたり」に移すことになりました。秋美の石倉先生(人類学者・秋田公立美術大学准教授)の講演を拝聴しました。とても面白かったです。その中で印象的だったことは、

・鍋は本来内輪の中で行われるが、それを外で知らない人と行うことはとても珍しい。普通はBBQが行われる。(「ハレとケ」でいうと、鍋は日常の「ケ」でありそれを儀式的な「ハレ」で行う珍しさ)秋田独自の人間関係の距離の取り方なのだろう、という考察でした。

・今回のように3班ごとに分かれ、各自自由に鍋を決めて作るような「隣がちらっとみえる、近すぎもせず遠からずの垣根感」は、芸術の様式を産み出すということ。実際、隣の班の鍋が気になり、自分たちはもっとこうしよう、などお互いの鍋を比較する思考にピタリあてはまりました。

・食べることは、アートの最先端になりつつある

以上、「鍋っこ遠足」の奥深さに改めて感銘を受けました。

帰り道、車でIさんとSさんとご一緒させていただいた際、私が秋田のごはんや素材の美味しさに感動したことを伝えたところ、「もっと寒くなってくると ”だだみ”が出てくるんですよ。とっても美味しいですよ」と教えてもらいました。「だだみ」とは 鱈の白子のことだそうです。秋田は本当に奥深いです。

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