イラストレーター宮原葉月のブログです。日々の暮らしを書き綴ります。
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<お仕事>「ボルケイノ・ホテル」装丁イラスト


愚かかもしれない。
でも、それが愛なのか

切なくても、
哀しくても、
人の数だけ、愛のかたちがある


谷村志穂さん著「ボルケイノ・ホテル」(光文社)の装丁イラストを担当させていただきました。谷村さんの「六本木給油所」の挿画を以前担当させて頂いたことがあり、その一編が含まれる短編集です。

女性の性(さが)が見事に書かれていて、私はこういう世界観が大好きで、一気に原稿を読んでしまいました。女の意地、諦め、希望、欲望、さみしさ、失望・・・ひとつひとつ読み終えていく度に、どっぷりはまっていきました。面白いです!

The illu is for the book "Volcano Hotel" by a author Tanimura Shiho. In this book you can enjoy the following collection of 7 short stories.

「哀しいよ」" I'm sad "
離婚したばかりの40手前の女性。精神的・経済的にもこれから自立しなければならない現状。そんな矢先、仕事で成功している男友達に会いに行く。
「あの海の前で」" By the beach "
主人公には夫と6歳の息子が居る。家族で夫の仕事仲間が集まる海辺のキャンプに参加していた。つれない夫と、その存在が気になりだした仲間の男。息子を通して女の心は揺れ動いていく。
「ストーブ」" A stove "
港町に生まれ育った姉と弟。ある日の新聞記事から、昔からずっと待ち続けていた男との思い出があふれてくる。
「巣箱」" A bird nesting box "
父親が遺した築30年の家に老いた母親と住む主人公。正式に付き合う男性もなく40手前まできてしまった。そんな親子に庭師の男が通ってくるようになった。
「Fountain」
主人公は何年も付き合っている彼がいる。共に35歳。しかし、お互い結婚するタイミングをなくしていた。そんな矢先に二人は大地震に遭う。
「ボルケイノ・ホテル」" Volcano Hotel "
創業100年を超える温泉宿を継いだ30代半ばの主人公。住む町には活火山と湖、そして源泉が湧く温泉旅館が4軒ある。この宿には数年後には去っていくであろう火山研究家、赴任してくる教師、新聞記者の男達が通ってきていた。
「六本木給油所」" A roppongi gas station"
36歳を迎える主人公。震災とガソリンスタンドをめぐり、彼女の環境が少しずつ変化していく。個人的に春の匂いがふわっと通り過ぎていくかのような清々しさを感じました。女心が絶妙なので思わずため息が出ました。





BDは鈴木久美さんです。再びタッグを組ませて頂き、本当に嬉しいお仕事でした。そういえば、鈴木さんとの初めてのお仕事「ピンクとグレー」(加藤シゲアキさん著 角川書店)が映画化されることになりました。監督は行定勲さんで、主人公はHey! Say! JUMPの中島裕翔さん。他にも女装が印象的な菅田将暉さん、夏帆さん、柳楽優弥さん、岸井ゆきのさんが共演されるそうです。

さて、話は「ボルケイノ・ホテル」に戻ります。この本に出てくる7人の女性達には、決して明るい未来は約束されてはいません。自分と痛いほど向き合って、これから生きていかねばならない状況が多いです。それでも、彼女たちが少しずつ、絶望から這い上がっていくであろう姿が予測されるのが不思議でした。イラストは、その姿をイメージしました。

In this book 7 heroines are full of troubles of relationships. Things don't always go well in their life but try to overcome their pain and I'm heartened by thier way of life.

実物は下記のような、和紙のような柔らかい紙に印刷されています。その結果、色調と相まって一層その柔らかさを魅せてくれます。これは見本を頂いたときに初めてわかり、おー!とさらに嬉しい驚きでした。とてもお世話になった編集Iさんも、「鮮明な配色などの装丁が多い中、やさしい印象の本は珍しく、いい感じで浮いてくれるといいですね」とおっしゃって頂きました。
The book is printed on the soft paper like a Japanese paper, so the soft coloration of the illu is matched up precisely with the paper.






私にとっては、絵のインスピレーションが沢山湧いてしまうほど面白い一冊でしたので、その構想の収集が大変でした。そんな私を支えて頂きながら、素敵なお仕事をご一緒させて頂き、Iさん、鈴木さん、本当にありがとうございました!
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