イラストレーター宮原葉月のブログです。日々の暮らしを書き綴ります。
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<装丁のお仕事>盒桐杙劼気鵝峅金の庭」(集英社)




1月にリリースされた盒桐杙劼気鵝峅金の庭」(集英社)の装丁イラストのお仕事です。昨年11月に緒方修一さんからご連絡をいただき、急遽集英社で打ち合わせをさせていただきました。緒方さんとは、5月に「鴨か虎か」でお仕事をご一緒させていただきました。(そのときのエピソードはこちらから

打ち合わせが夜でしたので、集英社の門は閉まっていて、どきどき緊張しながら緒方さんの背中を追ってついていき、打ち合わせ室へ。編集のMさんと初対面し、装丁についてお話ししました。
おおよそのイメージとしては、盒桐杙劼気鵑両説がとても不思議な世界でしたので、曼荼羅のような世界観、モチーフは洋よりは和、今と昔の混合、そして、表1表4をぐるりと広がるイメージを、というオーダーをいただきました。

「黄金の庭」は、第36回すばる文学賞受賞作です。余談ですが、もう一つの受賞作品である新庄耕さん「狭小邸宅」の装丁カバーイメージのお話をこの場でちらりとお聞きして、全く異なる世界観になりそうだと(勝手に)どきどきわくわくいたしました。

さて、
ラフを作り始めるとき、かなり悩みました。この作品に関わる方々を思うと、プレッシャーで押しつぶされそうになっていました。とはいえ、まずは方向性だけでもみてもらわなくては、となんとか形にします。
全く新しいものを作り出していくので、どれが正しいか誰も私もわかりません。受け取った情報と、自分の感覚を信じるしかなく、きっと緒方さんもどんなものが出来てくるのかドキドキされていらっしゃったと思います。
ラフの方向性として、提出した3案のうち2案がよさそうで、その中で「じゃあ、これにしよう」ということでパシッと決まりました。
今度は、そこから肉付けの作業が始まります。

緒方さんとのやりとりは、とても不思議です。
まるでこちらの気持ちが漏れてしまっているかのようで、私が陥っている状況、心理状態を的確に拾い上げてくださり、制作がうまく軌道にのるよう、そのときごとのアドバイスがぴたりと私の気持ちにはまってくれます。
ですので、私は緒方さんを信じて、その目標に向けて、全速力で舟を漕いでいくように制作していきます。
お仕事で絵を描く際、ただ好きなように描くだけではなく、客観性も求められますが、このときばかりは、読者をちょっぴり意識しながらも、私自身が、この「黄金の庭」という世界にズブリとはまり、さまよい、目の前で登場人物が動いているような妄想を膨らませていきました。
すると、ゆっくりとですが、筆が動き始めたのです。この感覚は、私が大好きな「ノルウェイの森」の一文を読むごとに妄想が膨らんでいったときととても似ていました。(そのときの絵はこちら
もう、この時間は必至です。無我夢中で妄想をひとつひとつ下書きとして描きためていきました。最後に、それらを一気につなげていきました。



ラフが決まると、それを締切までに描き込んでいく作業が始まります。
完成した原画のサイズがとても大きく、包装したらさらに大きくなってしまいました。(私は包装が下手なのです。。。)
宅配で送ろうとコンビニに行くと、大きすぎるので受付は無理と言われ、絵を抱えながら、ヤマトさんの事務所までトコトコ歩いていきます。
宅配で送れるかどうか微妙だったのですが、ヤマトの受付の女性が「大丈夫ですよ」と言ってくださり、心底ほっとしたことは、今でも忘れられません。(無理だったら持ち込もうとは思っていたのですけれど)

こうして、「黄金の庭」の装丁イラストができた次第です。
そして、この本を、先日の「装画と装幀@2013」に出品させていただきました。緒方さんと編集のMさんにご快諾いただけたので、よかった!と思いました。このときの図録にいただいた緒方さんからのお言葉、これからの励みにしていこうと思います。

ちなみに、この展示の際、描きおろしたのがこちらです。
見送りとなったラフをベースに仕上げました。B4サイズ。

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