その2から続きます。
今回の記事は「人形道祖神」というより「イラストのお仕事」寄りのエピソードになります。
品川レポート その1
「トークイベントはおかげさまで満員御礼!」
品川レポート その2
「トークイベントの変化 | 長老にご報告」
品川レポート その3
「イラストレーターの立ち位置 | 「まつりと」展の結果報告
本日の目次
・作家の砂村かいりさんとのエピソード
・編集Nさんとのエピソード
・「まつりと」展が終了!結果はいかに・・・!?
・さいごにお知らせ
私の本業、そして作家・砂村かいりさんのこと
イラストレーターがなぜ人形道祖神の絵を描き始めたのかお伝えしたく、最初にイラストレーターとしての実績をご紹介しました。
↑イラストレーターとしてのお仕事紹介のスライド
↑こちらも。下記の事情でピックアップいたしました。
上記の書籍『炭酸水と犬』(KADOKAWA)のお仕事は、個人的に人形道祖神と深いご縁があると感じています。と申しますのも、2020年に角川武蔵野ミュージアム(埼玉県)で人形道祖神も参加した展示と時を同じくしてご用命いただいたお仕事だったからです。
当時新型コロナの感染拡大防止で他県への不要不急の移動が制限されており、対面での打ち合わせは難しいだろうと考えていました。ところが美術館に道祖神を設置するため秋田から埼玉へ行くことになり、そのタイミングで東京での打ち合わせが実現しました。(そのほかKADOKAWAと角川武蔵野ミュージアムとのつながりも)
そんな思い出深い『炭酸水と犬』の装画のお仕事でしたが、なんと同書の著者、砂村かいりさんが品川のトークイベントへご来場されることになりました。わ〜〜!
砂村かいりさんは現在大変注目されている作家さんです。昨年は『黒蝶貝のピアス』(東京創元社)、『苺飴には毒がある』(ポプラ社)を刊行されました。
砂村さんの描写はとても瑞々しく細やかで、主人公が見ている風景がさあっと眼前に浮かびあがったり、伏線回収でわわ!とドキドキしたり。この場では伝えきれないほど魅力的な世界を描かれています。
たまたまみつけたサイト「ほんのひきだし」の「【Vol.6:砂村かいり】編集者が注目!2023 年はこの作家を読んでほしい!」では、
「泡が弾けるような装幀に惹かれて手に取った『炭酸水と犬』が、砂村かいりさんとの最初の出会いでした」
と東京創元社の編集者・金城颯さんの言葉が紹介されていました。なんて嬉しいエピソードでしょう!
トークイベントでは砂村さんに直接ご挨拶できたので感無量でございました。ちなみに先日現在砂村さんの短編『招かれざる貴婦人』の挿絵を担当させていただきましたよ✨
今月22日発売『小説宝石』3月号の砂村かいりさん @sunamura_novel の短編「招かれざる貴婦人」の挿絵を担当させていただきました!おもしろくて最後まで一気に読み込み、砂村さんが描く世界はすごい・・・✨と感動。挿絵には父子が登場する印象的なシーンを描きました。ぜひお手にとってご覧ください https://t.co/zrU49yeOML
— hatsuki miyahara (@hatsukimiyahara) February 27, 2024
ちなみに上記の不思議な生き物は「ずーしーほっきー」という北海道北斗市の公式キャラクター。ホッキ貝の握り寿司をイメージして作られたそう。
さて、話はトークイベントへ戻ります。「私も小さい頃、鹿島行事で綱を引いてました」と砂村かいりさん。えー!?ご出身が秋田と存じ上げておりましたが、まさか鹿島行事に参加されていたなんて。
「砂村さんから辿る秋田の人形道祖神」というテーマで作品を作ってみたい・・・とつい妄想してしまいました。(作るならばあの地区を徹底的に調査したい。3年前にたまたま知り合った方のおばあ様のお話を伺いたいなあと常々思っていました)
編集者Nさんとのエピソード
砂村かいりさんや編集のIさんとKさんとお会いできただけでもとても嬉しく、さらには昨年半年も及ぶお仕事をご一緒させていただいた編集のNさんもご来場くださいました。嬉しかったエピソードをご紹介します。
これまで画面越しでしかお会いしていなかったNさん。Nさんはプロジェクトのリーダーを務められ、何かあれば的確な対応をしてくださる頼もしい女性の編集者さんです。リアルなNさんを前にすると嬉しくて舞い上がってしまいました。
実はNさんとお仕事中、私はイラストの方向性で大きな壁にぶつかることがありました。しかしNさんをはじめチームの皆様がずっと低空飛行であった私を支えてくださり、みんなで力を合わせて、せーの!と難所を切り抜けることができました。チームに入れていただいたようなとてもあたたかい時間でした。
そんなNさんと、トークイベント後にいろいろお話しいたしました。「宮原さん、お話が上手!最後まで楽しかったです。会場の後ろでもたくさんの方が聞いていましたし」と喜んでいただけたご様子に、心からほっといたしました。
Nさんのお仕事的なこともあると思いますが、いつも打ち合わせやメールでのNさんの言葉や文章に心がハッとします。人形道祖神の絵を丁寧にご覧くださり、「人形道祖神に初めて出会ったときの宮原さんの思いが、やっぱり宿っているんだと思う」、とたくさんの素敵な言葉を伝えてくださいました。また私が腱鞘炎になった大館のイベントで描いた線画パネルもご覧くださり、「本当はデザイナーさんに文字をフォントで入れてほしかったのですが、デザイナーさんに依頼する時間がなくやむを得ず自分で書きました」と伝えたところ、「手書きだからいいのですよ」「宮原さんにはこういう絵のスタイルもあると知ることができました」とおっしゃってくださいました。
いつもはお仕事を通じてしかお会いできない皆様と、人形道祖神に関する時間を共有させていただけたことは初めてでありドキドキいたしましたが、とても貴重な機会であることを改めて思いました。お忙しい中ご来場いただき感激いたしました。ありがとうございました!
「まつりと」展が終了! 結果はいかに!?
この度品川のキヤノンギャラリーSで開催された「奇想民俗博物館 まつりと」展が3月4日で無事終了いたしました。期間中たくさんの方がご来場されたそうです。SNSの写真から通路が混み合っている様子が伝わってきました。
ANPの小松さんによると、
・会場にはおよそ3000名様を超える方々が来場された
・3000名超の来場者様数、というのは品川のキヤノンギャラリーSにおいて大変大きなこと(著名な写真家の方の展示に匹敵もしくはそれ以上か)
・お客様のギャラリーの滞在時間がこれまでにない長さだった
とのことでした。
ひえ〜〜〜すごい展示に参加させていただいたのだなあと小松さんと喜びを分かち合いました。キヤノンのディレクターAさんがわざわざ秋田県大館市で開催されたイベントへ視察しに来てくださったことが遠い昔のようです。Aさん、Kさん、Hさん、受付をしてくださった皆さま、大変お世話になりました。ありがとうございました!このたびの大きな学びを今後の活動に活かし、精進してまいります。
次回はスライドのご紹介と、いろいろ考察編です。
さいごにお知らせ
今週9日(土)には1日限りの『あきた無形民俗文化財万博〜カタチなきたからもの』が「あきた芸術劇場ミルハス」(秋田市)にて開催されます。(イラスト制作時のブログはこちらから)
昨年に比べ会場の規模が小さくなるそうですが、踊りを360度から見ることができるなどユニークな演出を検討されているとか。昨年とはまた異なる内容で見応えがありそうですね。
イベントのご盛況を大阪よりお祈りいたします!
※チラシに人形道祖神の絵が使われていますが、イベントと関係ありません。(わらび座さんのデザインプラン上でイラストが足りず総動員した次第です)
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