イラストレーター宮原葉月のブログです。日々の暮らしを書き綴ります。
<< April 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
秋田の春

やっと秋田でも桜が咲き始めました。春が来た!と心が躍ります。

山菜のうど。これをきんぴらにするととても美味しいことがわかり、今はまっています。1本200円しないくらいでお安いです。

ここ最近ずっと制作で家に籠っていたので、ちょっとした買い物などのお出かけで心がとてもリフレッシュします。

またGWがまもなく始まりますが、うっかりしていてお仕事のGW進行で「あ!」と気づかされます。GWで空いた時間があれば道祖神に全てを突っ込みますので、今年は普通の日の感じがいたします。道祖神を知るにつれ(執筆担当の小松さんの原稿でより深く知ることができ)、道祖神のために時間を使うことができるのはとても幸せなことだなあと思います。

取材の記録 湯沢編

ここ最近はずーっと「人形道祖神」のことばかり書いていますが、本日もどうぞお付き合いくださいませ。

先日秋田県南を一気に回りました。取材した道祖神は11体。忘れないうちにメモを書きます。

朝7時過ぎ、小松さんと秋田市内を出発。

湯沢市岩崎地区にある鹿島様3体の内、緑町の鹿島様を見学。この日は集落の人々が集まり年1回の衣替えをする予定でしたが、朝から降る雨で作業は中止。私たちの取材は早々に頓挫。しかしお互いポジティヴな性質なので気持ちを切り替え、湯沢の道祖神を沢山見ていくことにしました。結果的にこの作業のキャンセルが私たちに幸運をもたらしてくれました。

ちなみに上の写真は緑町の鹿島様。岩崎地区の鹿島様は道祖神の中の王道で、県内でも広く知られています。

次は小野地区へ。田園風景が広がる中、屋根付きの小屋に道祖神たちがいらっしゃいました。3mほどの大きな道祖神。その後車で走っていると「ここにも道祖神が!」と偶然見つける位、点在していました。

余談ですが付近の田んぼに白鳥の群れがいてびっくりしました。湯沢は白鳥の飛来地の一つ。冬シベリアなどから越冬しにやってくるそうです。そろそろ北帰行ラッシュが始まっているのでしょうか。

またこの地区から執筆担当の小松さんの突撃取材に同行させていただきました。といっても集落の方を驚かせないよう、最初は小松さんお一人でお話しさせていただけそうなお家を探していきます。この地区でも2件、貴重なお話を頂くことができました。とりわけ薪を割っていたおじさまが、斧を持ったまま小松さんとお話される様子が印象的でした。夏に集落のお祭りがあるそう。とても面白そうなので取材したいですね、と話しました。取材させていただくお家探しにも観察眼が必要で、小松さんからノウハウを伝授頂きました。

次は「行く予定はなかったですが時間もあるし行ってみましょう」「小さい石の道祖神なので面白くないかもしれません」という藤倉地区の道祖神に会いに行きました。道祖神の取材でまず苦労するのが道祖神探し。集落に点在しているので見つけるのが一苦労なのです。しかし藤倉では奇跡的に某番組の「村人発見!」的に男性が道を歩いていて、車中から「私たちはこの道祖神を探していますがどこにありますでしょうか」と尋ねたところ、丁寧に教えてくださいました。この日ちょうど道祖神の衣替えをしていたのだそうです。私たちが道祖神に興味があることが、逆に村の方にとって興味があるようで「なんで見に来たのー?」と不思議がられました。ここでは「ニンギョウサマ」と呼ばれていて、女子的にとてもかわいい道祖神でした。(マイベスト入り確定です)

お祭り当日でしたので当番の女性が赤飯をお供えしたり、焚火があったり、集会所で70名近くの村人が集まりお祝いの会が開催されていたり。集会所では人の熱気がこもっていた為か、取材中の小松さんのお顔が汗だくで、そのお顔をみた私はじわっ・・・と感動しました。

藤倉ではばっけ(ふきのとう)の花がたくさん咲いていました。この日は雨が降ったり晴れたり忙しい天気でした。

この後お昼を食べに横手焼きそばの食堂に行きました。小松さんセレクトなので、ただのお店ではありません。一見絶対入らないような、地元に根付いた食堂に行きます。小松さんは秋田の遊郭にも詳しく、昔色街であったと思われる地区を散策しながら、浅舞にある食堂でお昼を食べました。そしてこのお店はアタリでした。昭和レトロな雰囲気がそのまま残り、そして焼きそばが素朴ながら美味しい。エッセイ編で書くことにします。

この後食堂で教えてもらった近くの道祖神を見学。とある事情で変化した姿に私たちはびっくりし「おもしろいおもしろい」と写真を撮っていたところ、その様子を珍しがってか近くを掃除されていた年配の男性が声を掛けてくださいました。男性のお話を聞きながら、自分が秋田のイントネーションを少し解読できるようになった手ごたえを感じました。(しかしわからないことも多々あり小松さんに後で聞きます)

途中雨が降り始め、冷たい風も出てきたので震えながらお話を聞いていましたが、雨はどんどん強くなります。途中雄物川郷土資料館に寄り雨宿り。ここでは小松さんの縄文土器研究家のお顔が出てきて、専門的なツッコミが面白かったです。

このあと大森の道祖神を2件巡りました。時間的には16時近く、少しずつ日が暮れ暗くなります。

既に藤倉の取材でお腹がいっぱいでお互い「疲れてきたね、集中力が切れてきました」という状態でしたが、ここは踏ん張ってがんばります。

大森の一つ目の道祖神の近くを流れる川。小松さんが昨年取材されていて、そのときのお家に突撃取材を試みましたがお留守でした。取材は厳しいかしらと思っていたところ、もう一軒おじさまの姿を発見し突撃インタビュー。すると快く引き受けてくださり、お家にお邪魔させてもらいお話を聞くことができました。なんと「ケンミンショー」で取材されたことがあるそうですよ。夏にお祭りがあるので、そのとき是非取材させてください!というお話になりました。

大満足な気分で最後の道祖神へ向かいます。この時はさすがにヘロヘロ。しかし最後の気力を振り絞ります。下記の道祖神です。写真は既にあるので、日が暮れる前に突撃取材を試みます。二人で車中からお話を聞けそうなお宅を探しました。

小松さんがお祭りの様子や日程を確認してくださり、これで無事終了!気温が下がり肌寒くなってきていたので、そろそろ帰りましょうか、というときに、疲れているはずの小松さんが「この近くにもう一つあるので、行きましょう!」と。「小さいから大したことないかもしれませんが」とおっしゃいますが、「小さいものほど何かがある」と藤倉で学んだこともあり、私も「行くべきだ」と思いました。

小さいので通り過ぎないように車中から目を凝らします。すると、男性器をかたどった彫り物がたくさん並んでいる一角がありました。間違いありません、ここです。しかし道祖神が見当たりません。隣にお地蔵様が入っているような小さな小屋があったのでしゃがんで中を覗いてみると・・・道祖神がいました!二人で「何これ〜!?」とびっくり。また小松さんのすごいところは、この道祖神がある細い山道の車の往来に目をつけたこと。山道にしては車が多い、この先にも何かがあるはずだと考え、「この先にも行ってみましょう」という判断をされました。そしてそのことが新しい発見につながりました。再び車に乗り先に向かってみると山間部にも関わらず集落が結構ありました。そしてなんと途中同じような小屋を発見。普通なら見過ごすくらいの小ささ。中を覗いてみると、道祖神のお面がこちらをみていらっしゃいました。「小松さん、いますー!!!」と思わず興奮してしまいました。

これは調べるしかない、ということでお隣のお家に突撃取材を試みました。すると幸運にも女性とお話しさせていただくことができました。(村の方の警戒心をなくす小松さんのスキルがすごい)残念ながらお祭りは終わったばかりでしたが、後日村の史料を調べて記事にしたいとおっしゃっていました。

そして遂にこの日の取材が終わりました。疲れたー!しかしそれ以上の手ごたえがあり、精神的にギラギラしている変な感じでした。ちなみにこの付近に気になる温泉があり、後で調べてみると「日本秘湯を守る会」の会員であることがわかりました。この会所属の温泉は源泉かけ流しなどレベルが高いので今度必ずや行ってみようと思いました。この日は、私の中では人生でも数えるくらいの印象的な日となりました。面白かったです。

本がどんどん肉付けされてきていて、その様子を色々な方にお話しさせていただくのですが、思ったより面白がってくれるので手ごたえを感じ始めています。嬉しい。道祖神に興味を持った方が、この日と同じような経験ができるよう地図やディープな観光情報をエッセイとして載せる予定です。

取材で気付いたこと

先月からのお仕事を連続して無事納品いたしました。ほーっとしました。とはいえこの後連載のお仕事にすぐ入りますが、「人形道祖神」制作の時間を少し確保しました。次のお仕事が始まるまでに一気に進めなくては。

先日小松さんと行った秋田県仙北市での取材で学んだことを忘れないうちに書きます。

取材先で小松さんと同じことを聞いていたはずですが、あがってきた小松さんの原稿を拝見すると、なんてわかりやすくまとめられているのだろうと驚きました。取材力とそれを文章化する小松さんのお力を改めてすごい!と感動。

私は私で原稿を拝見し、わかりやすいマップ(少しお洒落にしたいが、山と川ばかりで厳しいと悟る)と「こういうのがあったら読者の方がイメージしやすい」というイラストを描いていこう、という流れがみえてきました。ちなみにイラストは自分で描けるので、いくら描いても費用が発生しません。このときばかりは自分がイラストレーターでよかったと思いました。(自分の首を絞めますが)

また私が担当するエッセイのページを準備しているのですが、お仕事では編集の方が的確に全てを準備してくれているのですぐイラストをすぐに描けますが、自分で準備するとなると、絵を構想するための情報が圧倒的に少ないことに気付き、慌てて取材先の方にメールで教えていただいている状況です。(Fさん、沢山の質問に答えてくださりありがとうございました!)

本づくりは初めてで右往左往しますが、これから一気に作り上げていこうと思います。

初・「人形道祖神」取材

現在進行中のbook制作の初取材に急遽行ってきました。(この機会を逃すと来月以降になってしまう為)

共著の小松さんご一家と秋田・角館(かくのだて)近辺へ。詳細は本に載せるのでここでは書けないですが、大変興味深い経験で、初めて対面した数々の道祖神に圧倒されてしまいました。上の写真は集落の高い丘の天辺にいらっしゃった「お仁王様」。向こうには雪を被った山々がみえます。お仁王様を支える桜の木はまだ蕾でしたが、まもなくに桜が咲いたらさぞかし美しい風景だろうなあと思いました。

今回の取材を通して、「道祖神とお会いする」ことは日常から非日常の世界へ足を踏み入れることに似ていると思いました。誇張し過ぎかもしれませんが、ジャングルの中をさまよい、いきなりアンコールワットのような遺跡と巡り合うかのような圧倒感。

この日は4体の道祖神に会いにいき、2体と巡りあうことができました。

また当bookのエッセイコーナーを私が担当させてもらうことになりました。取材の中のこぼれ話や、女性目線で感じたことを沢山のイラストを交えて書きます。

今回の取材には、様々な方のお力を借りて実現することができました。本当に有難いことです。いい本をつくらなくては!と思いました。そして急ピッチでラフ案を作ります。

ちなみに現在進行中のお仕事は現在しっかり制作しております。取材に行くときはその日の朝夜にバッチリ仕上げています。時間をやり繰りをしながらきっちり両立していきます。

ついに第一稿が届く!

現在取材準備を進めているbook制作「村を守る奇怪な神様 〜あきた人形道祖神めぐり〜」で進展がありました。
先日、遂に小松さんから「プロローグ」と「第1章」の原稿を受け取りました。やったー!

ふるえる手で出力した原稿を掴み、拝見します。極力冷静に、気持ちを込めすぎず、読み込みます。

「プロローグ」の掴みがバッチリ!既に内容を知っている私ですが、ぐいぐい惹きこまれます。プロローグの最後に小松さんと私の似顔絵を描きたいと思いました。

「第1章」では道祖神のことがわかりやすく説明されています。そして秋田の某地区にある道祖神調査について書かれています。小松さんが書くその土地の歴史と村人へのインタビューがとてもリアルで私は大好きです。原稿には見知らぬ川の名前や地名が複数出てくるので、わかりやすい地図を2、3つ描いた方がわかりやすいと思いました。
小松さんが目にした印象的な風景も描きたいな・・・当道祖神のテーマにあるものも見開き色付きで描きたいな・・・とどんどんイメージがあふれてきます。私は文章からインスピレーションをもらっているのだなあとしみじみ思いました。

そして取材がいよいよ始まります。今までは既に企画や文が準備された状態で絵を描く立場でしたが、今回はベース自体を作っていく立場なので気持ちがとても新鮮です。プロの編集者には到底敵いませんが、自分自身で心底面白い!そして伝えたい!というものをつくりあげていく経験は、これからも非常に貴重なものになっていくと思います。


このサイトの英語表記について
日本だけでなく世界に向けて、私が絵にこめる思いを伝えたく表記しています。独学の故、決して正確な表記ではありませんので、どうかご了承ください。